職人が手がける、自然の結晶

ザ・リッツ・カールトン京都が、お部屋にご用意する洗顔石鹸とバスソルトは、京都石鹸屋(しゃぼんや)製。京都で開業するにあたり、京都の職人によって作られたオーガニックにこだわったソープを探し、唯一、巡り合いました。鮮やかに香る柚子は水尾、ヒノキは京北町と、いずれも京都産。素材を厳選して作り上げる、無添加、オーガニックの、こだわりの品です。京都石鹸屋を開業し、初代石鹸職人として自ら作る、大橋俊石さんにものづくりへの想いと京都の魅力をうかがいました。

京都石鹸屋(しゃぼんや)謹製、ザ・リッツ・カールトン京都オリジナルの石鹸。京都産ひのきの精油をベースに、京都をイメージして調香。「至善堂 堀金箔粉」金箔入りです。

ザ・リッツ・カールトン京都のバスソルトは、水尾の柚子と京北町のヒノキをベースにした2種類。柚子には柑橘を、ヒノキにはフランスのサイプレスや京都産の北山杉をブレンドし、ザ・リッツ・カールトン京都のために仕立てました。

Shunseki Ohashi / Kyoto Shabonya

大橋 俊石さん

1966年、京都市に生まれる。1948年創業の薬店「京のくすり屋」の姉妹店として、2009年「京都石鹸屋(しゃぼんや)」を設立。初代石鹸職人として、天然、自然原料にこだわり抜いた、100%自然化粧品をコンセプトに、石鹸を中心にしたオリジナルコスメを開発し、製造販売。京都の妙心寺 退蔵院の柚子を使った石鹸などコラボ商品も手がけ、京都に根ざしたものづくりが注目を集めている。

素材からこだわった、京都生まれの石鹸づくり。

京都の豆腐屋さんの豆乳、大原の赤紫蘇、丹波ワインなど、京都石鹸屋(しゃぼんや)の直営店には、京都の素材を使った、さまざまな石鹸が揃います。

"Made in Kyoto"のものづくりがしたい。そうかねてから思っていました。沖縄が好きでよく旅をしていたのですが、沖縄のおみやげといえば、素材から沖縄産。地場のものを使って開発された、地域独特のものが中心です。京都にはおみやげはたくさんあっても、使う原料まで京都産というものはなかなかないのです。5年前の春、沖縄で出合った塩の専門店がとても新鮮で、塩のテイスティングができ、塩を使ったお菓子やコスメまであったんです。それを見て、京都産の素材が石鹸なら作れるのではないかとひらめいたんです。妻の実家の家業である「京のくすり屋」で漢方に用いられる素材などを扱っていたので、確信はありました。アロマセラピストの友人に石鹸作りから教えてもらい、自らの手で試作を重ね、同じ年の11月に開業しました。

一ヶ月以上かけて作り上げるコールドプロセス製法。

40℃前後に保ちながら2〜3時間半ほど攪拌します。

型に流し込み、1〜2ヶ月かけて熟成。

石鹸の製法の多くは石鹸素地を利用しますが、手間ひまかける製法には釜炊き製法、コールドプロセス製法があります。一般的な製法は石鹸素地に保湿剤や防腐剤などを加えて再加工したもの。大手企業のほとんどがこの製法です。釜炊き製法は、天然の油脂と苛性ソーダを高温の火力で炊き上げる、昔ながらのやり方です。私たちの石鹸作りは、低温で作るコールドプロセス製法。高温で加熱するとせっかくの有効成分が酸化してしまうので、40℃前後で温めながら2〜3時間半ほど撹拌し、型に流し入れ、温度を保ったまま一日おき、その後、1〜3ヶ月かけて熟成させます。できあがりのタイミングは大きさや素材によって違いますが、早過ぎるとべたべたし、時間が経ち過ぎると切り分けられないほど固くなります。冬場は温度管理が難しく、粉を吹いてしまうことも。素材の性質や配合のバランス、気温や湿度など、細やかに気を配らねばなりませんが、この製法だから油脂の中の保湿成分グリセリンやミネラル、ビタミンといった有効成分を贅沢に残すことができるんです。石鹸の主成分である油脂はマルセイユ石鹸にも使われるオリーブオイル、椰子油、パーム油など、すべてオーガニック。自分自身が職人として作っているので、素材へのこだわりは尽きなくて。海外から取り寄せる油脂は直輸入で。水尾の柚子や京北町のヒノキなど、京都産の香りは生産者から素材を集め、抽出するところからやっています。手間は増えるばかりですが、良いとわかればやはりそちらを選びたい。職人の性ですね。洗い上がりの肌や香り立ちに、きっとその差を感じていただけると思います。

水尾の柚子、京北町のヒノキ、生粋の京の香り。

水尾の柚子や京北町のヒノキなど、京都産の素材は京都市右京区の京北町の工場で、水蒸気蒸留法によってアロマオイル(精油)を抽出しています。食べものと同じ、香りも鮮度が命。摘み取った実や花、切り出した木は新鮮なうちに作業をします。柚子の季節である11〜12月半ば山にこもりっぱなしで、皮をペースト状にして1.5t分を。素材にもよりますが、1tからとれる香りの量はわずか9kgほどなのです(フジバカマ場合、1tから1kgです)。ヒノキは樹齢100年以上のもので、中心部を粉にして香りを抽出します。

通常は枝葉、端材を使ますが香りが雑になるので、香りが集まり、油の質もいい幹の真ん中だけを使います。素材を集めて、運び入れるのも自分たち。万葉集に詠まれるフジバカマの香りにも取り組んでいますが、山間から摘み取って、トラックで何度も往復して...。作業は大変ですが、抽出すると落ち着いた和の香りがして、残り香も素晴らしく、お届けできるのが嬉しいですね。京北町には小さいながらも畑があるので、自家栽培した植物から香りを抽出することもこれからの楽しみです。

香りは鮮度が命。直接、生産者から素材を集め、抽出します。

精油は一滴ずつ計って、繊細に調香していきます。

調香師の資格を持つ、大橋さんが香り作りから自身で。

京都で100年つづく、ものづくりを目指して。

大橋さんがものづくりの原点に帰る場所「京北町」

精油やオイルなどの原料を仕入れるため、フランスをはじめ、外国を旅することも多いのですが、海外に出ると京都の良さを改めて感じます。伝統を守って、今に継承する。それはどこでもできることではありません。「初代石鹸職人」という私の肩書きは、京都で100年つづけたいという、硬い意志を表したかったから。京都以外にお店を持ちたいとは思わないですし、どこにでもあるものは作りたくない。厳選した素材を使い、一から作るのは大変ですが、いいものを作りたい、残していきたいという、想いが原動力になっています。
京都で好きな場所は山。生まれ育ったのは銀閣寺の近く、大文字のふもとで、自然豊かな場所でした。工場のある京北町までは市街地から車で一時間ほど、何もないところですが、心が清らかに澄んで、ものづくりに集中できます。いいものが受け継がれている京都で、世界に誇れるものを作りつづけていきたいですね。きっとそんな思いが伝わって、こうしてトップブランドからも選んでいただけたのだと思います。ザ・リッツ・カールトン京都があった場所は明治時代、京都府が石鹸などの製造研究をしていた跡地でもあるんです。それだけにこのご縁をより嬉しく思っています。歴史ある京都で愛される、誠実なものづくりをつづけていきたいですね。

京都しゃぼんや

オーガニック&天然原料にこだわって職人が作る石鹸やバスソルトなどを販売。

  • 京都市中京区三条通桝屋町55
  • 午前10時~午後7時(棚卸し日、お正月期間は営業時間が異なります)
  • 無休(臨時休業除く)
  • TEL 075-257-7774
  • http://www.shabonya.com

石鹸づくり体験教室

ザ・リッツ・カールトン京都ご宿泊のお客様に、京都石鹸屋(しゃぼんや)にて石鹸作りをご体験いただけます。前日までの要予約にて、所要時間は20分ほどです。お気軽にお問い合わせください。

※ 石鹸作り体験は、ザ・リッツ・カールトン京都にご宿泊のお客様限定で、毎週日曜日の午前10:30-11:30に実施しております。
お問い合わせ・ご予約はザ・リッツ・カールトン京都:075-746-5555までご連絡ください。